2月中旬〜下旬くらいからカブトムシの幼虫を飼育している方は、慌ただしくなってくるのではないでしょうか。
幼虫が冬眠から目が覚めて、再びエサを食べ始める時期ですね。
幼虫が冬眠から目を覚ますのは地域によって多少の誤差はあるでしょうが、おおむね3月頭前後くらいが一般的です。
そしていよいよ幼虫が蛹になる時期が近づいてきます!
今回の記事は、
- 蛹の期間はいつからいつまで?
- 最後のマット交換はいつまでに済ます?
- 最後のマット交換時の注意点は?
- 人工蛹室の準備は必要?
- 僕がやらかした蛹化時期の失敗談
について解説していきます。
「僕がやらかした蛹化時期の失敗談」は実際に僕自身が、蛹の時期にしてしまった失敗談を紹介します。
皆さんが同じ失敗をしないように、最後まで読んでもらえたらと思います。
蛹の期間はいつからいつまで?
冬眠から目覚めたカブトムシの幼虫は、その後前蛹となり、前蛹から大体10日前後には蛹となります。
蛹となるのは早ければ4月にはサナギになる事もありますが、大体5月〜6月頭です。
そして約一ヶ月かけて成虫へと変化していきます。
7月までにはほぼほぼ成虫へと成長しているのが通常の状態です。
地域によって誤差がある
サナギになるのは地域によっても違います。
気温によって生育サイクルが左右されますので、必然的に寒い地域のカブトムシはサイクルが遅くなります。
カブトムシの幼虫は寒い冬は冬眠して体力を温存し、暖かくなると再び動き出しエサを食べ始めます。
そして前蛹となり蛹となりますが、そのサイクルは全て気温によるものです。
僕自身の地域はわりかり暖かい為サイクルが早い方で、冬は玄関先で飼育していますが、早ければ4月には蛹になっている事もあります。
ですので、一概にいつからいつには必ず蛹になっているというのはありません。
大体の地域では5月〜6月には蛹になっているという事です。
自然の温度下で飼育しているのであれば、蛹になるのは外気温に大きく左右されるという事を覚えておいてください。
飼育環境によって誤差がある
飼育環境の違いでも蛹化時期は変わってきます。
先にも述べたように、暖房の効いた暖かい部屋で飼育しているのであれば、2月には目覚め3月には蛹になる事もありえるのです。
そもそも暖かい部屋で飼育しているのであれば、幼虫が冬眠をしない場合もあります。
その場合は冬の間中エサを食べ続けますので、動き回っていなければ(暴れていなければ)大きな成虫も期待できるでしょう。
ですが、冬眠していない分体力が削られてしまう恐れもあります。
僕自身は自然の温度下でしか飼育をした事がありませんので、確実にこうだ!という事は言えません。
蛹になるのは飼育環境での気温に左右され、暖かい環境下で飼育をしていると成長サイクルが早まるのは間違いないです。
最後のマット交換はいつまでに済ます?
カブトムシの飼育においてマット交換は超大事な行事です。
その超大事なマット交換ですが、幼虫が蛹室を作る前に最後のマット交換を済まさなければなりません。
蛹室を作った後にマット交換をしようとすれば、蛹室を壊してしまいますので、それだけは絶対にさけなければなりません。
蛹の状態次第では蛹を触れない時期もありますので、蛹室を作る前にマット交換は済ませるようにしましょう。
僕自身は、幼虫が冬眠から目覚めたらすぐにマット交換をします。
早めにマット交換をして、そのマットに馴染んでもらってから蛹室を作ってもらうのが目的です。
経験上ですが、思っていたよりも早くに蛹室を作った幼虫もいましたので、いつ蛹になってもいいように早めにするようにしています。
あくまでも僕自身の飼育方法ですので、参考までに。
最後のマット交換時の注意点は?
カブトムシの幼虫が蛹になる前後に気をつけなければならないのが、やはりマットに関してです。
最後のマット交換後は、蛹室を壊さない為にマットを大幅に触る事ができなくなります。
最後のマット交換時に特に気をつけなければならない、
- マットの量
- マットの水分量
- マットの詰め方
の3点を解説します。
マットの量
マットの量に関しては、最後のマット交換時も通常時も変わりません。
飼育ケースの7〜8割くらいにマットを入れておけば問題ないです。
カブトムシの幼虫はタテに蛹室を作りますが、蛹室を作る場所を選ぶ際に、マットの中を動き回って最適な場所を探します。
マットの量が少なすぎると、蛹室を作れずにマットの表面に出てきてしまう事があります。
マットの表面に出てきてしまった幼虫は、マット内で蛹室を作る事を諦めてマットの表面で蛹になります。
マットの表面で蛹になると乾燥に負けてしまい、成虫になる事が出来ないどころか、ヘタをすると死亡してしまいます。
そうならないようにマットの量はたっぷり入れてあげるようにしましょう。
マットの水分量
カブトムシ飼育はどの場面においても乾燥は大敵です。
そして多すぎてもダメです。
多すぎるとマットの中で幼虫が酸欠になり危険です。
蛹室を作る際もマットの状態次第で、頑丈な蛹室が作れるかどうかが決まってきます。
最後のマット交換時の水分量も通常通り、マットを握って水分がにじまずに握った形ができるくらいで充分です。
マットの詰め方
通常のマット交換であれば、ただ単に飼育ケースにマットを入れるだけでいいのですが、最後のマット交換はそうはいきません。
最後のマット交換という事は、蛹室を作る為のマット交換と思ってください。
最後のマット交換の時は、マットの下10センチくらいは固詰めします。
何故かと言うと、頑丈な蛹室を作ってもらう為です。
幼虫は自分体を当てたり、糞をマットに混ぜて固くします。
それでも元々の土質が柔らかかったらあまり頑丈な蛹室はつくれません。
ですので、最後のマット交換をする際に下の方だけ固く詰めてあげると、幼虫は蛹室を作りやすい場所に移動しますので、必然的に下の方に行きます。
固く詰めているので、それだけ頑丈な蛹室が作れると幼虫も分かっているのです。
人工蛹室の準備は必要?
カブトムシの幼虫が蛹室を作る時期に一番怖いのは、やはり蛹室が壊れる事です。
蛹室は衝撃や人の手で壊れてしまったりもしますが、マットの状態がよくなかったり、理由がわからない壊れ方をする事もあります。
いつの間にか壊れている事もあるので、僕自身は蛹化する時期は人工蛹室の準備は怠らないようにしています。
人工蛹室を自作するのは難しくはないのですが、作った事の無い方や飼育に慣れていない方には荷が重いはずです。
失敗すれば羽化不全になる恐れもありますし、ヘタをすると死亡させかねません。
自身のない方は素直に「ミタニのサナギのへや」に頼りましょう!
国産のカブトムシの蛹室としては、これほど確実で頼りになる人工蛹室もありません。
僕がやらかした蛹化時期の失敗談
僕自身はカブトムシやオオクワガタをブリードして、2024年時点で7年を超えています。
それなりに色々と失敗もしてきましたが、蛹化時期の失敗としては、一度蛹室を壊してしまった事があります。
壊したと言ってもそこまで激しくボロボロにしてしまったわけではないのですが、念の為人工蛹室に移しました。
カブトムシの幼虫を1つのケースに3匹飼育していて、2匹は見えている場所に蛹室を作ってくれたのですが、残りの1匹が見当たりませんでした。
見えない位置に蛹室を作る事もあるので確認出来ないのはしょうがないのですが、問題なのはマットの表面が乱れていた事です。
これは残りの1匹がまだ蛹室すら作っていない事が確実だと思いました。
いわゆる「セミ化」です。
そしてマットの中を確認するために、蛹室を壊さないように恐る恐る掘り出しました。
そして無事に蛹化していない幼虫を取り出し別ケースに移し、その後問題なく蛹化してくれました。
掘り出したその時に「露天掘り」のような形になってしまい、土が少し蛹の上に崩れてしまったのです。
ですので、念の為に人工蛹室に移しました。
掘り出しに失敗しましたが、セミ化を放おっておくわけにもいかないですし、これはどうしようもなかったと思っています。
セミ化を放おってけば他の幼虫の蛹室を壊しかねません。
蛹は自分の蛹室に他の幼虫が迫ると、動いて壁を叩き「ここには蛹室があるからちかづくな」と教える事ができます。
ですが、狭い飼育ケースの中では何があるかわかりませんので、掘り出すのが正解だったと思っています。
むしろこの時は「ミタニのサナギのへや」を常備していましたので、すぐに対応できました。
やはり準備は大切ですね!
正しいマット交換をして蛹を温かく見守ろう!
今回の記事では、蛹の時期はいつなのか、最後のマット交換についての注意点などを解説してきました。
解説してきたように蛹の時期は地域や、飼育環境に大きく左右されますので、一概にここまでには!と言う事はできません。
それだけ生き物の飼育は大変で、特に感情を理解する事ができず鳴き声のない昆虫飼育は難しいです。
ですので、僕個人としては早め早めの準備をするようにしています。
飼育方法は人それぞれですし、この方法が正解!というのは存在しません。
無事に蛹になってくれて、そのまま完全体の成虫になってくれればその飼育方法は正解だったという事です。
自分の環境に合った飼育方法でカブトムシ飼育を楽しみましょう!
それでは最後まで読んでくださり感謝です。
他にもカブトムシやクワガタ飼育に関する記事を多数書いていますので、そちらも読んでみてください!
おすすめの人工蛹室です⬇