カマキリの卵は縦向きに置く理由|横向き・逆さまにするとどうなるか・正しい固定方法を解説

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  • 「カマキリの卵鞘は縦向きに置かないといけないと聞いたけどなぜ?」
  • 「横向きに置いてしまったら孵化に失敗する?」
  • 「卵鞘の正しい向きと固定方法を知りたい」

カマキリの卵鞘(卵の塊)を飼育ケースで管理する際に「縦向きに置くこと」という情報を見たことがある方も多いはずです。

カマキリの卵鞘を縦向きに置かなければならない理由は「孵化した幼虫が卵鞘の下に糸でぶら下がりながら出てくる習性があるため」で、横向き・逆さまに設置すると幼虫が正常に外に出られずに死亡するリスクがあります。

この記事ではカマキリの卵鞘を縦向きに置く理由・正しい固定方法・横向きに置いた場合どうなるかまで詳しく解説します。

カマキリの卵鞘を縦向きに置く理由

孵化した幼虫は「下に糸でぶら下がりながら」出てくる

カマキリの卵鞘を縦向きに置く最大の理由は孵化した幼虫の出方にあります。

カマキリの幼虫は孵化するとき、卵鞘の内部から細い糸(脱出糸)を使って少しずつ外に出てきます。

外に出た幼虫は最初しばらくの間、この糸でぶら下がった状態になります。

このぶら下がり状態の間に幼虫の体が伸びて、足が自由になって自分で歩き始めます。

この一連の孵化プロセスが正常に行われるためには「卵鞘の下に十分な空間(最低10cm以上)が確保されている」ことが必須です。卵鞘を縦向きに設置することでこの空間が自然に確保されます。

野外でも卵鞘は縦向きに産み付けられる

野外では草の茎・木の枝・フェンスの柱など縦に伸びた構造物にカマキリが産卵します。

産み付けられた卵鞘は自然に縦向きになっており、卵鞘の下部が茎・枝を向いた状態になっています。

つまり縦向き設置は野外の自然な産卵環境を飼育下で再現することに他なりません。

カマキリが枝や茎などの縦に伸びた構造物に産卵するのは「幼虫が糸でぶら下がれる空間が確保できる」という本能的な産卵場所の選択です。この産卵習性と孵化の仕組みが縦向き設置の必要性を生み出しています。

カマキリが産卵する場所の選び方については「カマキリの秋の産卵時期と場所|どこに産み付けるか・産卵後のメスの状態を解説」の記事でまとめています。

どの方向が「上」でどの方向が「下」か

「縦向き」の正確な向きについて補足します。

枝に産み付けられた卵鞘には「枝との接合部(枝が付いている側)」があります。

この接合部側が上・または横になるように設置して、卵鞘の反対側(丸みのある端)が下を向くようにするのが正しい向きです。

枝ごと持ってきた場合は枝を立てて固定するだけでOKです。卵鞘だけを取り外した場合は「産卵されたときに枝が付いていた面」を上にして縦に立てるよう設置してください。

卵鞘の向きがわからなくなった場合は、表面の模様・穴の開き方が多い面を横向きにして縦に立てる方法で対応できます。

横向き・逆さまにするとどうなる?

横向きにした場合

卵鞘を横向き(水平)に設置すると孵化した幼虫がぶら下がる空間が確保されにくくなります。

横向きに設置した場合でも幼虫が全滅するわけではありませんが、孵化直後に適切にぶら下がれない幼虫が出てきます。

ぶら下がれないと体が完全に伸びきらないまま地面や壁に落下して、正常に歩き始めることが難しくなる個体が増えます。

横向き設置でも孵化自体は起きますが、孵化成功率・幼虫の生存率が縦向き設置より明らかに低くなります。孵化した幼虫の一部が「糸が絡まって抜け出せない」「地面に落下して弱る」という状態になりやすいです。

逆さまにした場合

卵鞘を上下逆さまに設置した場合はさらに問題が大きくなります。

孵化した幼虫が出てくる出口が下ではなく上を向いた状態になるため、幼虫が重力に逆らって出てこなければならなくなります。

また糸でぶら下がれる方向が逆になるため、孵化した幼虫が正常な姿勢をとれません。

逆さまの設置は孵化率を大幅に下げる最悪のパターンです。すでに逆さまに設置してしまった場合で孵化前であればすぐに向きを直してください。孵化が始まった後は向きを変えることは避けてください。

すでに横向きに置いてしまった場合は?

横向きに置いてしまっていても孵化前に気づいた場合は縦向きに直すことができます。

枝ごと持ってきた場合は枝を縦に固定し直せばOKです。

卵鞘だけの場合は向きを確認しながら縦向きに固定し直してください。

ただし孵化が始まって幼虫が出てきている途中での向き変更は幼虫を傷つけるリスクがあるため行わないでください。孵化が始まったらその向きのままで孵化が完了するのを待つことが最善です。

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卵鞘の正しい固定方法

枝ごと持ってきた場合の固定方法

枝ごと卵鞘を持ってきた場合の固定方法が最もシンプルです。

飼育ケース内に枝を立てて、ケースの底や壁に固定します。

枝が自立しない場合は輪ゴム・テープでケースの内壁に固定するか、発泡スチロールや土に枝を刺して立てます。

固定する際は卵鞘の下に最低10cm以上の空間が確保できているか確認してください。ケースの底に卵鞘が近すぎると幼虫がぶら下がる空間がなくなります。深さのある飼育ケースを使うことをおすすめします。

卵鞘だけの場合の固定方法

枝から取り外してしまった卵鞘の固定方法です。

①割り箸・竹串・細い棒を用意して卵鞘の上部をテープで棒に固定して縦に立てる方法が最も安定します。

②ケースの壁面にテープ(マスキングテープなど)で卵鞘の上部を縦向きに貼り付ける方法でも対応できます。

③昆虫ゼリーのカップや小さな容器に少量の粘土や発泡スチロールを入れて、そこに卵鞘を縦に刺して固定する方法も有効です。

どの固定方法でも「卵鞘の下に10cm以上の空間が確保できているか」を最優先に確認してください。また固定テープが卵鞘の表面(幼虫が出てくる穴の部分)を塞がないように注意することが重要です。

屋外・庭での卵鞘の移動方法

庭の邪魔な場所(玄関ドア・車のボンネットなど)に産み付けられた卵鞘を別の場所に移動させる場合も同じ原則が適用されます。

枝ごと切り取って別の枝・フェンス・支柱に縦向きに固定することで移動できます。

移動先も縦向きを保てる場所を選んでください。卵鞘の下に十分な空間があり・日当たりが春に確保できる南向きの場所が理想的な設置場所です。

卵鞘の冬の越冬管理と孵化のさせ方については「カマキリの卵は冬にどこで越冬する?いつ孵化するか・飼育での孵化方法を解説」の記事でまとめています。

よくある疑問


Q. 卵鞘を縦向きにすると水が溜まって腐らない?

縦向きに設置しても卵鞘の内部に水が溜まることはありません。

卵鞘はスポンジ状の構造で適度な通気性・排水性があり、雨水が入っても内部で溜まらずに排出されます。

野外では雨の日も縦向きに設置された卵鞘が雨にさらされますが腐ることはありません。縦向きを維持したことで水が溜まって腐るという心配は不要です。むしろ横向きに置いた方がスポンジ状の切り口から水分が入りやすくなります。

Q. 孵化した幼虫が糸でぶら下がる時間はどのくらい?

孵化した幼虫が糸でぶら下がっている時間は数秒〜1分程度です。

ぶら下がりながら体が伸びて足が自由になると糸を離して歩き始めます。

この短い時間のためだけに縦向き設置が必要ですが、孵化は100匹以上が連続して起きるため合計すると非常に多くの幼虫がこのプロセスを必要とします。1匹でも多くの幼虫を正常に孵化させるために縦向き設置は不可欠です。

カマキリの卵の孵化のさせ方については「カマキリの卵の孵化のさせ方|冬の管理・設置方法・孵化後の幼虫の育て方を解説」の記事でまとめています。

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