カブトムシをブリードしていると、必ず意見が分かれる問題があります。
「カブトムシの幼虫は共食いをするのか?」
する派としない派にわかれますよね??
何故分かれるかと言うと、未だにはっきりとわかっていないからです。
なので、自分の経験で結論を出すしかないのが悩ましいですね・・・
今回の記事では、
- カブトムシの幼虫は共食いをするのか?
- カブトムシの幼虫の数が減るのは何故?
- 幼虫の数を減らさない為には?
- 多頭飼育のメリットとデメリット
を解説していきます。
カブトムシの幼虫は共食いする?
結論から言いますと、カブトムシの幼虫は共食いをしません!
というのが、僕自身の経験からの得た答えです。
僕自身カブトムシのブリードを始めて大分経ちますが、共食いというのを目の当たりにしたことがありません。
僕はあまり多頭飼育を好まないので、密集状態で飼育したことがないのは事実です。
QBOXで飼育をしていて、最高7頭までしか多頭飼育をしていなかったので、密集とは言えない飼育環境でした。
ただ、幼虫の数が減っていたことはあります。
減ってるってことは共食いなのでは?と思われるでしょう。
何故共食いではないと思うのかと言えば、数が減ったのが初令段階から数えて減ったからです。
では何故初令段階から減っても共食いではないと思ったのか????
次項で詳しく解説します⬇
カブトムシの幼虫の数が減るのは何故?
僕の知る限り幼虫の数が減るのは、初令段階から数えて減っているというものです。
初令というのはいわば生まれたての赤ちゃん状態です。
生き物全般がそうですが、生まれたての頃は体は小さく弱い状態になります。
産まれて間もなく死んでしまう・・・ということもありえるのです。
そして厄介なのが、幼虫は死亡すると土(マット)に還ることになります。
なので数が減ったと勘違いしてしまうのです。
初令段階で死んでしまう原因として考えられるのは、
- 元々体質が弱かった
- 体に傷が入ってしまった
上記2点が考えられます。
詳しく解説します。
元々体質が弱かった
これは僕自身も経験があることですが、産まれて間もない初令段階の幼虫の死骸がマットの中にあったのです。
他の幼虫は元気に動いていたので、何故この一匹だけ??と思いました。
もちろん共食いされたような外傷はなかったです。
他の幼虫は元気なのでマットの問題でもない、外傷もない・・・
これはあくまでも僕の見解ですが、考えられるのは体質的な問題しかなかったのです。
私見ではありますが、体質的な問題は間違いなくあるのは覚えておいてください。
体に傷が入ってしまった
幼虫の体をよく見てみると、カサブタのようなものがある幼虫がいます。
卵から孵化した後に、何かしらの外傷がありカサブタのように固まったのでしょう。
これは共食いとも受け取れますが、メスをどの段階で飼育ケースから隔離したかによります。
メスは産卵を済ませた後に、動かないわけではありません。
産卵をすれば寿命が縮まると言われていますが、そのまますぐに亡くなるわけでもありません。
卵から孵化した幼虫がいる場所に突っ込んで行ってしまい、メスの足やアゴによってなのか、幼虫にあたってしまい傷が入ってしまうことがあります。
カサブタの原因としては、共食いよりもメス絡みの可能性が高いです。
共食いであるならカサブタどころでは済まないでしょうからね。
幼虫の数を減らさない為には?
共食いをしないのであれば、そもそも幼虫の数が減らないようにするにはどうすればいいのか?
体質的な問題であれば、正直どうしようもないのが事実です。
しかしながら、人の手でできることで幼虫が死亡してしまう事態を可能な限り排除できることもあります。
- 多頭飼育をしない
- 成虫のメスを隔離する
- マットの管理を適切に
これだけでも幼虫の死亡率は大分さがるはずです。
多頭飼育をなるべくしない
共食いの危険性があるなら、そもそも他の幼虫と一緒にしなければ良いのです。
そうすれば体質的な問題意外では、幼虫が死亡してしまうのは減るはずです。
もしするのであれば、QBOXなどの大きい飼育ケースで飼育してください。
何十頭もの幼虫を飼育するのであれば、衣装ケースなどを使う方も多いです。
そういえば…
衣装ケースでは手狭すぎてカブトムシ幼虫が蛹になる事が出来ないので両親の了解を得てから自然の豊富な実家の敷地内に放ちました。 pic.twitter.com/jtx7AWwJXO
— ヨスケ (@0501Noa) April 11, 2022
成虫のメスを隔離する
産卵を終えたメスは、なるべく早めに隔離するようにしましょう。
放っておくと幼虫に外傷を与えてしまい、幼虫が死亡してしまうこともありえます。
とは言っても、どのタイミングで隔離すればいいのかわかりませんよね。
僕のやり方ですが、
- 交尾をさせる為に1週間オスとメスを同居
- ↓
- 1週間経過したらオスを退去
- ↓
- そこから更に10日経過したらメスを退去
という流れでしています。
メスは早ければ2〜3日で産卵しますが、遅ければ10日はかかります。
10日後でも卵を産んでいないこともありますが、産卵は運もありますので、これで無理なら諦めますが大抵産んでくれています。
メスがいなければ外傷を負うようなことは、ほぼ無くなります。
マットの管理を適切に
マットの管理は幼虫だけではなく、成虫時でも大事なことです。
マット管理というのは具体的には、
- 適度な湿気
- 交換時期
の2点になります。
適度な湿気
カブトムシを飼育する際には、幼虫であろうと成虫であろうと湿気量は変わりません。
幼虫時はマットを交換したての時は、適度な湿気をもたせますがその後はあまり霧吹きは必要なくなるのです。
そのせいで油断しがちになりますが、マットをカラカラにしてしまうと、幼虫はエサを食べられなくなります。
下手をするとそのまま干からびてしまいますので、日々の観察は怠らないようにしてください。
交換時期
飼育マットの交換時期で特に大事なのは、冬眠に入る前と冬眠明けの交換になります。
しかし、それ以外での交換が大事ではないかと言えばそんなことはありません。
幼虫のエサは飼育マットです。
同じケース内に何頭の幼虫を飼育しているのかにもよりますが、1〜3ヶ月に一度は交換しないといけません。
僕自身は今現在、コバエシャッター(中)の大きさの飼育ケースに、多頭飼育は3頭までしかしていません。
なので、マット交換は3ヶ月に一度のペースでしています。
自分の飼育状況によって変わってきますので、マットの表面が糞だらけになって、食べるエサが無くなるなんてことにはならないようにしましょう。
多頭飼育のメリットとデメリット
そもそも多頭飼育をしなければ、幼虫が減ることはそこまで無いはずなのです。
それでも多頭飼育をしてしまうのには、それなりにメリットが大きいからです。
もちろんそこにはデメリットも存在します。
メリットとデメリットの両方を解説します。
メリット
多頭飼育のメリットとしては、やはりコスパの問題でしょう。
カブトムシは大量に卵を産みます。
カブトムシに限らず昆虫は基本的に産卵数が多いです。
食物連鎖の下の方に属する生き物ですので、なるべく多くの子孫を残すためでしょう。
それこそ一匹のメスから卵が何十個も産まれます。
それらを全て単独飼育をするのは、飼育ケース代も相当かかり、手間暇も相当なものになるでしょう。
カブトムシの幼虫を大量に育てるのであれば、多頭飼育をするメリットは充分にあると言えます。
デメリット
デメリットとしては、
- 幼虫が減っても原因がはっきりとしない
- 糞が大量にでて不衛生になることが多くなる
- 短期間でマット交換が発生する
- 蛹室を作る時期に作れない幼虫がでてくる
代表的なデメリットは上記4点になります。
幼虫が減っても原因がはっきりしない
これは共食いを疑われるということです。
実際に初令段階の数と3令段階での数が違えば、はっきりとした原因はわかりません。
はっきりとわかるのは、幼虫が死亡した事実のみです。
なので共食いを疑いたくもなるでしょう。
単独飼育なら幼虫の数が減っても、共食いという選択肢はなくなりますので、大きなデメリットと言えるでしょう。
糞が大量にでて不衛生になる
大量の幼虫を多頭飼育するのであれば、糞も大量にでてくるということです。
カブトムシの幼虫の糞は、激しく臭うわけではありませんが、糞は糞です。
放っておくと当然不衛生になります。
元々幼虫飼育は腐葉土マットで行いますので、ダニやコバエは寄り付きやすいです。
そこに大量の糞がまざれば、なおさら害虫が寄ってくる原因になります。
ですがこれはマット交換頻度を早めればいいだけで、単独飼育で飼育ケースを一つ一つ交換するよりは手間暇は少なくて済むでしょう。
短期間でマット交換が発生する
この問題は、短期間で一度に交換するか、交換時期に何十個もの飼育ケースのマット交換するかになります。
完全に個人の好みになりますね。
2〜3ヶ月に一度の交換であったとしても、飼育ケースが何十個もあればうんざりしてしまうかもしれません。
しかし交換が一回で終わるとはいえ、3〜4週間に一度は交換しないといけないとなると・・・それもうんざりしていまいます。
しかもマットの量も相当ですからね。
蛹室を作る時期に作れない幼虫がでてくる
多頭飼育の一番の問題がこれではないでしょうか。
衣装ケースに何十頭〜何百頭と飼育している方は、実際どうしてるのかはわかりません。
しかし衣装ケースとはいえ、さすがにキャパオーバーでは?と思ってしまうほどの多頭飼育をしています。
それほどの多頭飼育をしていると、蛹室を作れずマットの表面に出てきてしまっている幼虫が、少なからずいるはずです。
マットの表面に出てきてしまった幼虫は、マットの表面で蛹になります。
マットの表面で蛹になった幼虫は、乾燥により下手をすれば死んでしまいます。
蛹室問題は多頭飼育の一番のデメリットと言えるでしょう。
適切な飼育で成虫へと育てよう!
今回の記事では、カブトムシの幼虫は共食いをするのか?幼虫の数が減る原因・その対策と多頭飼育について解説してきました。
正直僕自身は、カブトムシの幼虫は共食いはしないと思っています。
その根拠も今回の記事で解説してきました。
実際問題、カブトムシは成虫も幼虫も声を発しません。
なのでマット内で何が起こっているのかは、誰にもわかりません。
自分の経験則が全てになってきます。
そして大事なのは、全ての幼虫が成虫へと無事に育ってもらう事です。
そうなる為にも適切な飼育方法で、大事に育てていきたいですね!
それでは最後まで読んでもらい感謝です!
他にもカブトムシやクワガタの飼育記事を多数書いていますので、是非そちらも読んでみてください。
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