夏の昆虫界の主役と言えばカブトムシですよね!
立派な角を持ち、黒く輝く体は子供のみならず大人も魅了されます。
そんな昆虫界の好感度No.1とも言うべきカブトムシですが、意外な弱点があります。
それは、ひっくり返りやすいのです。
そして一度ひっくり返ると、中々自力では起き上がれくなってしまうという・・・なんとなく情けなくも可愛い弱点ですよね。
しかし、カブトムシがひっくり返るのは実は結構危険なのです。
今回の記事では、
- カブトムシがひっくり返るだけで何故死の危険?
- カブトムシが羽化後にひっくり返る原因
- カブトムシがひっくり返る事への対策
- とまり木代わりとしてNGなもの
- 僕自身のひっくり返り対策
を解説しています。
「僕自身のひっくり返り対策」では、僕が過去から現在まで実施してきたひっくり返り対策を紹介します。
なるべくコスパ良く飼育を楽しんでいますので、是非今後のカブトムシ飼育に役立ててください。

カブトムシがひっくり返るだけで何故死の危険?
カブトムシがひっくり返ると何故死の危険性があるのか?
それは冒頭でも触れましたが、カブトムシ自身で起きあがる事が相当困難だからです。
カブトムシはひっくり返ると自力で起きあがれないので、その場で足をバタバタと動かし続けます。
元々体力がなく平均して3ヶ月程度しか生きられないカブトムシにとって、いつまでも起きあがれず、足を動かし続けるのは寿命を縮める行為です。
余計なストレスや体力の消耗は、簡単にカブトムシに死を近づける事になりかねません。
マレに上手い事反動を利用したのか、起きあがっているカブトムシもいます。
ですが、自力で起きあがれる方がマレまので、ひっくり返ったまま放っておくのは、かなり危険なのを覚えておいてください。
カブトムシが羽化後ひっくり返る原因
カブトムシが羽化した後、羽化不全などではなく、完全体で羽化したのにもかかわらずひっくり返ってしまう原因はなんなのか?
- 体のバランスの問題
- 体の衰え
- 歩くのが上手くない
この3点について解説していきます。
体のバランスの問題
カブトムシがひっくり返る一番の原因は、重心の問題です。
カブトムシは体の重心が背中側にあります。
カブトムシは背中側が重たいのに飼育ケースの壁をよじ登ろうとしたり、壁を掴もうとし立ち上がったりするのです。
背中が重い状態でそのような行動をすると、簡単に後ろにひっくり返ってしまいます。
カブトムシは自分の身体の事を理解していないのか?
という疑問が浮かんできます。
カブトムシが暮らす自然界では、飼育ケースのようなツルツルとした障害物はないので、カブトムシが好んで住む場所で掴めないものはないのです。
カブトムシのツメは結構強力ですからね。
そしてもしひっくり返ったとしても、落ち葉や枯れ木、石や植物など・・・つかめる障害物が多いので、元に戻るのも容易にできます。
カブトムシがひっくり返るのは体のバランスの問題が大きいですが、ジタバタとしているのは、人が飼育している環境ならではなのです。
体の衰え
人も動物もそうですが、歳を重ねると体のあちこちに不具合がでてきます。
特に多い体の不調で言えば足が多いですよね?
若い頃は元気に歩けていましたし、走る事も普通にできていましたが、歳を重ねる事で段々どこかが痛くなったり苦痛に感じたりします。
それは昆虫も同じことで、カブトムシもいつまでも元気ではいられません。
カブトムシは成虫となってからは長生きできる昆虫ではないので尚更です。
死ぬ間際はあきらかにそれまでの元気はなくなっており、エサの食いも悪くなります。
そしてその時が近づくにつれて符節(足のツメの部分)が取れたりします。
符節が取れると何かを掴む事ができなくなります。
ツルツルの飼育ケースは元から掴めませんが、頼みの綱である障害物を掴む事もできなくなってしまうのです。
そうなると、ひっくり返るのを防ぐ術がなくなります。
必然的にひっくり返りやすくなり、尚更起き上がるのが困難になってしまうのです。
歩くのが上手くない
カブトムシは元々歩くのが上手くありません。
背中側に重心があるせいもあるのでしょうが、そもそも体が重いもの原因でしょう。
体の重さの割に足は細く、素早く走れる昆虫と比べてもとても歩くのにバランスがいいとは言えません。
体の作り自体が木を登ったり枝を歩いたりする事に特化しているように思えます。
歩く姿を見ていると亀と同じだな・・・と思えるほどノソノソと歩いていますよね。
なので、少しバランスを崩しただけでもひっくり返ってしまうのです。
カブトムシがひっくり返る事への対策
カブトムシがひっくり返るのは、実は危険がいっぱいなのですが、ひっくり返る事への対策はできなのか?
一つだけその方法があります。
それは「とまり木(転倒防止材)」を入れる!です。
自然界ではカブトムシは中々ひっくり返らず、ひっくり返っても自力で起きあがれるのは、転倒防止材がそこら中にあるからです。
カブトムシのツメが引っかかってくれる障害物があれば全く問題ありません。
ですので、飼育ケース内にとまり木(転倒防止材)を入れておけば万事解決です!
では「とまり木」ってどんなのがあるのかを紹介していきます。
- 応急で用意できる身近にあるとまり木代わり
- 代表的なとまり木(転倒防止材)
をそれぞれ紹介していきます。
応急で用意できる身近なとまり木代わり
カブトムシを計画的に購入したり、捕まえに行ったりするのであれば、それにともなって飼育準備をしているでしょう。
しかし、カブトムシを子供がいきなり捕まえてきたり、家にたまたま飛んできたりした場合は、もちろん何も準備していませんよね。
そんな時でも飼育をするのであれば転倒防止材は必須です。
応急でとまり木の代わりとして転倒防止材を用意しないといけなくなった時は、以下の4点がおすすめです。
割り箸
割り箸は結構優秀で、割って短くしてケースに入れておけばそれだけでOKです。
本格的な転倒防止材を購入しなくて、割り箸を転倒防止材として毎回入れているブリーダーさんもいるくらいです。
しかし完璧ではないのが、割り箸を2つに割らないにしても、若干太さと凹凸が足りません。
転倒防止材は太く凹凸があるに越したことはないです。
そのほうがしっかり掴めますので。
多少の物足りなさはありますが、割り箸は身近にあるもので一番転倒防止材に適していると言っても過言ではありません。
ティッシュペーパー
意外にもティッシュペーパーも転倒防止材として使う事が可能です。
丸めて飼育ケース内に入れておけば大丈夫です。
ティッシュペーパーはあくまでも応急として使用してください。
というもの、ティッシュペーパーは固定ができません。
カブトムシのツメが引っかかる事はできるのですが、軽い上に固定できないので、カブトムシがツメからティッシュを外す事ができなくなってしまうのです。
ティッシュペーパーがツメに引っかかったまま、カブトムシは歩く事になってしまうので、相当ストレスを感じるはずで可哀想になってきます。
じゃあティッシュペーパーは使用しないほうがいいのでは?と思うかもですが、転倒防止材が無いくらいならティッシュペーパーを置くべきなのです。
それくらい転倒防止材は重要ということになります。
新聞紙
新聞紙も転倒防止材としての役目は充分果たしてくれます。
ティッシュペーパーと同様に、丸めて飼育ケースに入れておけば大丈夫です。
そして新聞紙にも多少のデメリットがあります。
これもティッシュペーパーと同じで、ツメに引っかかると取れなくなってしまう恐れがあるのです。
ですが、ティッシュペーパー程剥がれにくくはありませんし、新聞紙に穴が開くほどツメが引っかかる事もそうそうありません。
もしツメが新聞紙に引っかかるようなら、丁寧に外してあげてください。
無理に引っ張ると符節が取れてしまいますので。
昆虫ゼリーの空容器
これも意外かもですが、エサとして与えている「昆虫ぜりー」の空容器も転倒防止材として使う事ができます。
空容器もそれなりに優秀で、空になった容器を取り出さずにそのままにしておけばいいだけです。
ツルツルとはしていますが、凹凸がありますので、カブトムシはツメを引っ掛ける事が可能になります。
ツメに引っかかったままになる事もありませんので、転倒防止材としての仕事を充分にこなしてくれるでしょう。
代表的なとまり木
ここからは代表的なとまり木(転倒防止材)を紹介します。
代表的な・・・とはどういう事かと言うと、身近なものではなく、本格的なとまり木の事を言います。
カブトムシが上り下りしやすく、ツメでしっかり掴む事ができてなおかつツメに引っかかったままにならないものです。
自作する方もいますが、多くはショップからの購入になるでしょう。
のぼり木

エサ皿にもなる大人気「フジコン プレミアム インセクトシェルター」。
その名の通りカブトムシやクワガタの隠れ家にもなります。
穴から出入りする姿はなんとも可愛くてたまらないです!
当然、転倒防止材としても活躍してくれます。
サイズはS/M/Lとありますので、生体と飼育ケースのサイズも考慮して購入してください。
水苔

水苔はそのまま飼育マットとしても使えるすぐれものです。
水分を含んだ水苔は乾燥も防いでくれます。
軽いですが、カブトムシもしっかり掴む事ができて、そのままツメに引っかかったままになる事もありません。
オガクズマットや土のマットの上に敷き詰めても良いですし、マットを水苔だけにするのも良いです。
水苔はマットとしても転倒防止材としても活躍してくれる、優れたマルチアイテムになります。
ハスクチップ
「サナギのへや」でおなじみのミタニが発売している、こちらも大人気の「昆虫爬虫類用ハスクチップ」。
ハスクチップも転倒防止材とて優秀な飼育アイテムです。
カブトムシが掴む事ができて、ツメに引っかかったままになりません。
そしてこちらも水苔同様にマットとしても利用する事が可能になります。
別のマットの上に乗せても良いですし、混ぜてもOKです。
そしてハスクチップのみでマットとする事もできるのもありがたいですね。
エサ皿
エサ皿は本来の目的とは違いますが、転倒防止材の一種と考えてもいいくらい、マルチなアイテムです。
カブトムシやクワガタを飼育している方は分かると思いますが、カブトムシやクワガタはエサ皿の下によく隠れています。
よほど居心地が良いのか、マットに潜るよりもエサ皿の下にいる率が高いです。
エサ皿はにはプラスチック製のものや木製の物もあり、いずれも凹凸がありツメを引っかける事ができます。
カブトムシはよくエサをひっくり返しますので、エサ皿はあった方が良いですが、転倒防止材としても優秀ですので、是非置くようにしてください。
ゼリーキャッチャーには大きさがありますので、利用している昆虫ゼリーの種類がハマるのかを確認してから購入してください。
木の葉
自然界に多く存在する転倒防止剤が朽ち木や落ち葉になります。
こういう障害物があるので、カブトムシはひっくり返っても起き上がる事ができるのです。
木の葉は軽いですが、ティッシュペーパーのようにツメに引っかかって取れなくなる心配はありません。
この葉の下は隠れ家にもなり、マットに潜らずに木の葉の下にいることも多く、鑑賞も楽しくなります。
マット交換をする事があっても、木の葉は繰り返し使用できるのもありがたいですね。
とまり木代わりとしてNGなもの
とまり木としてなら何でも入れていいかと言えばそうでもありません。
とまり木代わりの転倒防止材として一番使用してはいけないのが・・・自然界にあるのもです。
「何故?自然界にあるものならむしろカブトムシに良いのでは?」と思う方もいると思います。
しかし、自然界には色々な生き物がいます。
自然界にある木の枝や木の葉はカブトムシやクワガタにとっても有用ですが、他の虫にとっても有用なのです。
そこら辺に落ちていた木の枝や木の葉を拾ってきて、飼育ケースに入れておいたらダニが湧いた・・・というのもよくある話です。
朽ち木に何の虫のかはわからないけど、卵が産み付けられていたなど・・・
どの様な虫や害虫がいるのかわからないのです。
必ずしも他の虫がついてくるわけではありませんが、多少お金はかかってしまいまうにしても既製品を買うのが無難でしょう。
僕自身のひっくり返り対策
僕がカブトムシやクワガタ飼育を、なるべくコスパ良くしたいと思っています。
ですが、転倒防止材にはしっかりとお金をかけるようにしてきました。
飼育ケースの大きさにもよりますが、基本的には簡単な木の葉かのぼり木を利用する事が多いです。
応急的には昆虫ゼリーの空容器を使う事が多くなっています。
あまり大きなケースは使っていませんので、木の葉も3枚程度ですみますし、空容器にいたてはゼリー代だけですみます。
オオクワガタ用にに小さなのぼり木も使用していたり、エサ皿のみおいてある場合もあります。
僕自身は成虫の飼育にはヒノキのオガクズマットを使用しています。
オガクズマットはものによってはふわふわ過ぎて、カブトムシやクワガタが歩きにくいものあります。
とまり木を掴んで移動できるので、そういう時にも転倒防止材は活躍してれます。
ひっくり返り対策には、転倒防止材を入れるしかありませんので、カブトムシ飼育にとまり木代わりの転倒防止材は必ず入れるようにしましょう!
カブトムシがひっくり返ったら助けよう!
今回の記事では、カブトムシは何故ひっくり返るのか?その対策についても解説してきました。
カブトムシは体の特性上、どうしてもひっくり返りやすいです。
そして自力では中々起き上がれません。
起き上がれない状態だと寿命を確実に縮めてしまいますし、下手をすればそのまま死亡してしまいます。
ですので、飼育者としては転倒防止材は必ずいれるようにしてください。
それでは最後まで読んでくださり感謝です!
他にもカブトムシやクワガタ飼育に関する記事を多数書いてますので、是非そちらも読んでみてください。