夏の昆虫界の代表とも言うべきカブトムシ。
成虫としての寿命は短いですが、そのかっこいい姿に子供はもちろんですが、大人も魅了されます。
最近では大人の方がカブトムシやクワガタに魅了されて、ブリーダーが増えてきているほどです。
しかし大事に飼育しているカブトムシが、動かない時があるのです。
もしくは動かなくなる時があります。
今回の記事では、
- カブトムシが動かない原因
- カブトムシの死の前兆はある?
- カブトムシが動かない時の対処法
- 僕のカブトムシが動かなくなった体験談
を解説していきます。
「僕のカブトムシが動かなくなった体験談」では、長年カブトムシの飼育をしている僕の実際にあった話しをします。
是非今後のカブトムシ飼育の、参考にしてもらえたらと思います。
カブトムシが動かない原因
カブトムシが動かなくなると、死んだ?と勘違いしてしまうことがあります。
しかし!そう判断するのはちょっと待ってください!
カブトムシが動かなくなる原因は、大きくわけて5つあります。
- 羽化して間もない
- 寝ている
- 体力温存
- 寿命が近い
- 死んでいる
一つ一つ詳しく解説します。
羽化して間もない
カブトムシは羽化後、すぐには動き始めることができません。
見た目はしっかりカブトムシの姿になっていますが、中身はまだできあがっていないのです。
中身というのは、内臓系のことを言います。
体の中はまだ未熟な状態なので、もちろんエサも食べることができません。
カブトムシはマットの中に蛹室を作って、そこで羽化までを過ごします。
そして羽化した後も、体の中がしっかりとできあがるまで、蛹室の中でじっとしているのです。
寝ている
カブトムシは夜行性と言われる昆虫です。
夜から明け方にかけて活発に動きます。
では昼間はというと、マットの中にもぐっていることが多いです。
表面にできていても、とまり木につかまってじっとしていたり、エサ皿や転倒防止材代わりの落ち葉の下に隠れていたりします。
その時はほぼほぼ動かないことが多いです。
要するに寝ています。
そして辺りが暗くなると、もぞもぞと動き始めるのです。
体力温存
これはひっくり返ったときが多いのですが、無駄な体力を使わないようにじっとしています。
カブトムシはひっくり返りやすい昆虫です。
体の重心が背中側にあるので、必然的にそうなります。
カブトムシはひっくり返ったときは、中々自分の力で起き上がることが困難なのです。
しばらくは反動を利用しようとしているのか、足をバタバタと動かし続けます。
しかし、いつの間にか動かすのをやめているのです。
このままバタついても起き上がれないと判断したのでしょう、そのままその場でじっとし始めます。
カブトムシは元々体力が少ない昆虫です。
無駄な体力の消耗は寿命を縮めてしまいます。
体力温存の為に動くのをやめてしまうのです。
寿命が近い
カブトムシは成虫としての寿命はとても短いです。
平均的に2〜3ヶ月しか生きることができません。
夏の間はマットの上に出てきて元気な姿を見せてくれていましたが、秋口になり段々動かなくなってきます。
体に触れると、ピクッと動いてはくれますが、自ら動くことが極端に少なくなるのです。
触れた時の反応も元気な頃と比べると、大分鈍くなってしまっています。
そして元気な頃は、触られたりすると一目散にマットの中に逃げ隠れていましたが、潜ることすらなくなってくるのです。
寿命が近くなると、明らかに元気がなくなって動かなくなるのがよくわかります。
死んでいる
寿命を迎えると、当然のことながら全く動かなくなります。
前兆があればまだ心の準備もできますが、突然動かなくなることもあるのです。
いわゆる「突然死」というものです。
昨日まで普通に動いていたのに・・・
昆虫は死因がわからないことがほとんどです。
寿命だったのか、病気だったのか、何かしらのウィルス的なものだったのか・・・
人為的な死亡だけはないように、気をつけて飼育をしましょう!
カブトムシの死の前兆はある?
カブトムシが死ぬときに、前兆はあるのか?
「突然死」に関しては残念ながら、前兆はありません。
しかし、突然死意外であれば前兆はあります。
- 符節がとれる
- ひっくり返ることが多くなる
- エサを食べなくなる
- 動きが悪くなる
死の前兆として知られている、上記4点について解説します。
符節がとれる
符節とは足のツメの部分のことです。
カブトムシの足は、先のほうが極端に細くなっています。
しかしその細くなっている部分こそ、カブトムシの生命線と言っても過言ではないほど大事なのです。
カブトムシを森に採集に行くと、木に掴まっている個体に出会うことがあります。
木に掴まっているカブトムシを無理矢理取ろうとすると、その細い足がちぎれてしまうのではないかと思うほど、中々木から離れようとしません。
符節と呼ばれるツメは、細いながらもそれなりに強力なグリップ力をしているのです。
そんな符節ですが寿命が近づくと、いつの間にかとれていることが多々あります。
老化が進み、符節と足の部分のつなぎ目が簡単にちぎれてしまうようです。
まだ元気なうちでも、無理矢理引っ張ると符節が取れてしまうことがあります。
しかし自然と取れているのを見かけたら、死期が近いかもしれませんので覚悟をしておいた方がよいでしょう。
ひっくり返ることが多くなる
これは符節が取れてしまうのが原因です。
カブトムシは符節と呼ばれるツメで、なにかをつかみます。
逆に言えば符節がないとつかむことができないのです。
カブトムシの重心は背中側にあるのは、よく知られているところですが、そのせいで元々ひっくり返りやすくなっています。
それでもとまり木などの転倒防止材があれば、符節を引っ掛けてひっくり返るのを防ぐことができるのです。
しかしそれも符節があったればこそになります。
その肝心の符節がとれてしまっては、とまり木をつかむことができなくなるのです。
そうなると必然的に、ひっくり返ることが多くなるということになります。
エサを食べなくなる
カブトムシは寿命が近づくと、エサを食べる量が極端に減ってしまいます。
食べる元気すらなくなってしまうのです。
それまでは一匹で、一日に一つの昆虫ゼリーを空にしていたのが、半分も食べなくなってきます。
そしてついには全く食べなくなってしまうのです。
そうなると体に栄養分を取ることができなくなるので、後は静かに死を待っているかすでに死亡しているか・・・
どちらにせよ、死期が近づくとカブトムシはエサを食べなくなってしまうのは、間違いないです。
動きが悪くなる
カブトムシは元気な頃は、少し触れただけでもピクッと素早く反応します。
そして逃げるようにマットにもぐってしまいます。
しかし死期が近づくと、触っても反応が鈍くなるのです。
そしてマットの中にもぐることすらなくなっていきます。
元々触ってももぐらないこともありますが、何かしらの動きは見せてくれるものです。
そもそもマットの表面にでてくることすらなくなってきます。
エサも減らず、姿も見せないのであればもしかしたら、すでにマットの内部で死亡しているかもしれません。
先にも話しましたが、カブトムシは元気なら一匹で昆虫ゼリーを一つは空にしてしまいます。
それが全く減っていないのであれば・・・残念ながら覚悟を決めた方が良いでしょう。
カブトムシが動かない時の対処法
カブトムシが動かない時の対処法としては、寿命が近かったりすでに死亡しているのであればどうしようもありません。
それ以外での対処法になります。
- 昆虫ゼリーを置いておく
- とまり木を近づけてみる
- 軽く触ってみる
基本的には触ってみれば何らかの反応はあります。
しかし、状況によってはあまり触らない方がいい場合もあるので注意が必要です。
昆虫ゼリーを置いておく
羽化したての頃は、体の中身が出来上がるまでカブトムシは土の中でじっとしています。
やがて見た目も中身も立派なカブトムシとなり、土の上にみずから上がってくるのです。
基本的にはこの間は何もしなくても、カブトムシは死ぬことはありません。
しかし、中にはすでに中身も出来上がっているのに、中々上がってこないことがあります。
ですので、昆虫ゼリーを一つでいいのでマットの上に置いておいてください。
もちろんエサ皿と一緒に置いてもかまいません。
美味しそうな昆虫ゼリーの匂いにつられて、スイッチが入り、カブトムシが動き出すことがあります。
とまり木を近づけてみる
ひっくり返って起き上がれない時などに、体力を温存する為にじっとしているカブトムシには、こちらが有効です。
なにかしらつかめるものを体に近づけてみてください。
すぐにつかんで起き上がろうとします。
要は起き上がりたかったのに、起き上がれなかったのでじっとしているだけなのです。
人の指でもちゃんとつかんでくれますが、やはり木の枝や落ち葉の方がいいでしょう。
とまり木はカブトムシ飼育にはなくてはならないアイテムなので、必ずそろえておきましょう。
軽く触ってみる
なんだかんだで直接触れてみるのが一番効果的です。
注意が必要なのが、羽化したての頃に関しては、日数がある程度経ってから触るようにしてください。
日数が経過していても、掘り起こしは慎重に行いカブトムシを傷つけることのないようにしましょう。
弱って動かなくなったのかどうかも、触った時の反応でわかるはずです。
動きがあまりなかったり、多少動きはするけどあまり意に介さない感じであれば、寿命が近い恐れがあります。
当然死亡していれば触ろうが、持ち上げようが動くことはありません。
体は軽くなり、身体部分と頭部分のつなぎ目が、今にもちぎれるのでは?と思うくらいぐらぐらしてしまっています。
僕のカブトムシが動かなかった体験談
僕は長年カブトムシのブリードをしています。
そんな中で「カブトムシが動かなかった」ことと言えば、やはり死亡したときになります。
これまで多数のカブトムシの飼育をしてきましたが、やはり死んだ時は悲しいものです。
そしてこれだけ長く飼育していると、死の前兆がはっきりとわかってしまいます。
もちろん突然死をしてしまう個体もいますが、「もうすぐかもな・・・」と思うことの方が多いです。
カブトムシはわりかし明るくなっても、エサを食べ続けています。
朝に人が起き始めても、エサを食べていることが多いので必ずと言ってもいいほど、姿を目にすることができます。
それが、寿命が近づくとエサを食べなくなり姿も出さなくなるのです。
そしていつの間にか、マットの中で息絶えていることが多いように思います。
とまり木があれば、とまり木の下でひっそりと動かなくなっていることも多いです。
あまり表立って死んだ姿を見せないようにしているのかもしれませんね。
カブトムシの飼育は観察が大事!
今回の記事では、カブトムシが動かない原因とその対策、そして確認方法を解説してきました。
カブトムシが動かない状況になる一番の原因は、やはり死亡時でしょう。
羽化して間もなかったり、ひっくり返った時などは対処しようがありますが、死亡時や死亡間近の場合は打つ手はありません。
カブトムシの成虫としての寿命はとても短いです。
それだけに日々の観察が大事になってきます。
一夏の短い付き合いですが、毎日の観察を怠らずに適切な飼育環境で飼育してあげるようにしてください!
それでは最後まで読んでくださり感謝です!
他にもカブトムシやクワガタの飼育記事を多数書いていますので、よろしければそちらも読んでみてください!
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