夏の昆虫界の主役として、カブトムシと人気を二分するクワガタ。
国産のカブトムシは一種類だけですが、クワガタの種類はかなり豊富です。
オオクワガタに代表されるように、好みのクワガタをペットとして飼育している方の数は年々増えてきています。
そんな子供から大人まで魅了してくれるクワガタですが、正しい知識をもたないと寿命を縮めてしまう事もあるのです。
クワガタがひっくり返ってしまうのも、寿命を縮めてしまう行為の一つになります。
そんな事が?と思う方もいるでしょう。
今回の記事では、
- クワガタがひっくり返るのは危ない?
- クワガタがひっくり返る原因
- クワガタがひっくり返るのを防ぐには?
- 色々な止まり木を紹介
- 使ってはいけないとまり木
を、解説していきます。
「色々な止まり木を紹介」では、一般的な止まり木から人気のもの、応急で使用するべきものまで紹介していきます。
是非今後のクワガタ飼育の参考にしてください。
クワガタがひっくり返るのは何故危険?
クワガタがひっくり返るのが、何故そんなに危険なのか??
クワガタやカブトムシは、ひっくり返ると自力では中々起き上がれないという弱点があるのです。
クワガタやカブトムシは、一度も見たことがない人はいないのでは?と思う程の認知度を誇ります。
しかしこの事実を知っている人は意外に少ないです。
そして何故起き上がれないと危険なのか??
起き上がれないというのは大げさな話ではなくて、ホントに全く起き上がれないのです。
要するに永遠に起き上がれないという事になります。
そんなばかな・・・と思いますか?
これは事実です!
クワガタはひっくり返ると、その場でジタバタと足を動かし続けます。
国産のクワガタは割りかし長生きする種類が多いですが、それでも余計な体力を使わせると寿命を縮めてしまいます。
やがて疲れたらジタバタとするのもやめますが、そのままエサを食べられなかったらどうなるでしょう・・・
クワガタがひっくり返ると危険というのはそういう事なのです。
クワガタがひっくり返る原因
では、クワガタがひっくり返る原因はなんなのか?
そもそもクワガタがひっくり返りやすいのは、人が飼育しているからです。
自然界においては、人が飼育している時よりも遥かにひっくり返る頻度は少なくなります。
その理由もふまえて、
- 体のバランスの問題
- 飼育ケースをつかめない
- つかめるものがない
- 死んだふりをする
以上の4点を解説していきます。
体のバランスの問題
クワガタやカブトムシは、体の重心が背中側にあります。
ですので、前足を持ち上げた時に、後ろにひっくり返りやすい体のバランスをしているのです。
それならば自然界にいて木に捕まっている時などに、何故下に落ちないのか?と思われるでしょう。
クワガタのツメは意外に強力で、一度引っ掛けたら中々外れません。
木から取ろうとして足がちぎれるんじゃないか・・・とヒヤヒヤした方もいるかと思います。
それぐらい強力に木をつかまえているので、重心が背中側にあっても下に落ちる事はないのです。
ツメを活かせればバランスの問題は解決するのですが、活かせなければ解決しませんね・・・
この体のバランスがひっくり返りやすくしているのです。
飼育ケースをつかめない
クワガタは木や枝をつかめれば、そう簡単にはひっくり返りません。
人が飼育するという事は飼育ケースが、クワガタの家になるという事です。
クワガタやカブトムシを飼育したことがある方はわかると思いますが、飼育ケースを登ろうとする場面を見たことがあるはずです。
一生懸命に飼育ケースをつかもうとしますが、何の凹凸もない飼育ケースをつかめるはずがありません。
クワガタの強力なツメも、木のような凸凹で引っかける箇所があってこそ、その威力を発揮するのです。
飼育ケースをつかもうとすればするほど、ツルツルと滑り重心のある背中からひっくり返ってしまいます。
凹凸のない飼育ケースがクワガタをひっくり返しやすくしているのです。
つかめる物がない
クワガタは落ち葉や朽ち木などの、障害物が多数ある自然界ではそう簡単にはひっくり返りません。
それは障害物をつかんで歩く事ができるからです。
木や枝を強力につかめるように、凹凸のある障害物なら強力につかめるので、自然界では中々ひっくり返らないというわけです。
その分、なにもない平らな場所を歩くのは苦手説がありますが・・・
飼育ケースにつかめる箇所がないように、飼育ケース内にマットしかなければ、必然的にクワガタはひっくり返りやすくなるのです。
死んだふりをする
これはひっくり返る気がないのに、ひっくり返ってしまうのとは違います。
意図的にひっくり返っているのです。
クワガタは危険を感じると死んだふりをします。
理由は諸説ありますが、人がクマと遭遇した時に「死んだふりをしろ」と言われますよね?
それは死んだ生き物にはクマは興味を示さなくなり、その場からいなくなってくれる可能性があるからです。
それと同じで、クワガタも自分の天敵がくれば死んだふりをして、ひっくり返る事があります。
そうする事で天敵がいなくなるのを期待しているのです。
木につかまっている状態で死んだふりをして、そのまま真下に落ちてくる事もあります。
下に高速落下すれば草木が身を隠してもくれますから、都合の良い逃げ方と言えますね。
クワガタは防衛本能から、わざとひっくり返る事もあるのです。
クワガタがひっくり返るのを防ぐには?
クワガタがひっくり返るのを防ぐのは、実は結構簡単です。
「止まり木を入れる」
これだけでいいのです。
先にも述べたように、クワガタのツメはかなり強力につかむ力があります。
そしてクワガタがひっくり返りやすいのは、つかむものがないからなのです。
なので「止まり木を入れる」だけで問題は解決してしまいます。
飼育ケースの中に障害物を入れるだけで、クワガタはひっくり返らなくなるのです。
万が一ひっくり返っても、つかめるものがいくらでもあるのなら、起き上がるのもたやすくなります。
止まり木はひっくり返るのを防ぐ役目もあり、ひっくり返った後に起き上がるのを助けてくれる役目もあるのです。
いろいろな止まり木(転倒防止材)を紹介
クワガタやカブトムシ飼育には欠かせない止まり木(転倒防止材)ですが、具体的にどのようなものがあるのか?
そしてどのようなものが最適なのか?
- のぼり木
- 水苔
- 木の葉
- ハスクチップ
- バークチップ
- エサ皿
- 応急時の転倒防止材
見た目の可愛さや機能性も含めて、紹介・解説していきます。
のぼり木
大人気の遊び心満載の止まり木がこちらになります⏫
エサ皿としても使えますが、人気の理由は真ん中に空いた穴なのです。
クワガタは止まり木の下に身を潜めている事がよくあります。
この材を入れておくとどうなるか・・・この材の中に入り身を潜める事間違いないです!
マレに材の下に潜るクワガタもいますが・・・
穴から出入りする・・・その姿がクワガタファンにはたまりません!
穴が空いてるので様子を伺う事もできるので、楽しさ倍増です!
水苔
意外かもしれませんが、水苔も転倒防止材として優秀なアイテムです。
というより、水苔はクワガタ飼育において万能なアイテムと言っても過言ではありません。
水苔のみでマットとしても使えますし、その際は転倒防止材としても使えますので、一石二鳥です。
他のマットの上に敷けば乾燥防止にもなりますし、もちろん転倒防止材としても活躍してくれます。
昆虫飼育においてこれほど使い勝手のいいアイテムもないでしょう。
木の葉
木の葉なんかが役に立つの?
と思われる方もいると思いますが、自然の形での転倒防止材としては、落ち葉が一番近いと言えるでしょう。
森には必ず落ち葉が落ちています。
その下には色々な昆虫が隠れているのです。
落ち葉こそ野生の万能アイテムと言ってもいいほどのアイテムになります。
隠れ家にもなり、足を引っかけるのにも最適で、どこにでもある・・・
飼育ケース一面を覆い隠す程ではなくても、それに近いくらいおいてあげれば転倒防止材としても充分活躍してくれます。
ハスクチップ
ハスクチップも使用者が多い転倒防止材ですね。
というよりハスクチップに関しては、そのままマットとして使用される事が多いです。
水苔同様に万能なアイテムですので、マットとして使用すればそのまま転倒防止材にもなります。
そしてクワガタがつかみやすいので、潜るのも下から上がってくるのも容易で、歩きづらさを感じさせません。
飼育ケースが激しく汚れる事もないので、入れ替えが楽にできるのも人気の一つです。
バークチップ
バークチップは主に観葉植物用として、土の上に敷き詰めるのに使われる事が多いです。
サイズがS/M/Lとあり、好みのサイズで使用が可能です。
個人的には大きめサイズを数個置くのが好きなのですが、小さめのMをいれておくのも全然ありです。
夏場の乾燥防止にも役に立ちますし、冬場は保湿保温もしてくれます。
自然界においての落枝代わりとしての、最適な転倒防止材になるでしょう。
エサ皿
エサ皿を入れる目的はもちろんエサ皿としてなのですが、転倒防止材としても最適なアイテムです。
エサ皿は大抵凹凸があり、クワガタがつかみやすくなっているものです。
材質はプラスチックでも木でも構いません。
クワガタはエサ皿の下に隠れるのが大好きなので、隠れ家にもなるアイテムです。
クワガタは昆虫ゼリーをひっくり返して散乱させて、マットを汚してくれて交換頻度を早めてくれます。
エサ皿を入れておけばゼリーをひっくり返される事が激減するので、そういった意味でもエサ皿はいれておくべくアイテムです。
応急で使用する転倒防止材
応急で使用する転倒防止材というのは、あくまでも急な飼育になり本格的な転倒防止材がない場合のみの推奨になります。
応急で使用できる転倒防止材代わりとして使えるのは、意外にも身の回りに多数あります。
割り箸・ティッシュペーパー・新聞紙・昆虫ゼリーの空容器等が代表的な、身近にある緊急で使える転倒防止材です。
割り箸は3本分を半分に折り、飼育ケースに入れておけばそれで充分です。
ティッシュペーパーや新聞紙は飼育ケースの大きさに合わせて、数枚を丸めて入れておきましょう。
空容器は食べ終わったゼリー容器を洗って、入れておくだけで大丈夫です。
ティッシュペーパーを使用する際、注意が必要なのが、ティッシュペーパーはツメに引っかかります。
転倒防止材としてはツメに引っかかるのが大前提ですが、ティッシュの場合はその後が問題です。
軽すぎるのもありツメから取れなくなってしまい、クワガタが身動きとれなくなってしまいます。
ティッシュペーパーも転倒防止材として使えるアイテムですが、できる限り他のを使ったほうが良いです。
そしてまともな転倒防止材を早めに購入することをおすすめします。
使ってはいけない止まり木
止まり木は要するに、クワガタのツメが引っかかってくれれば問題ないのですが、使用してはいけないものもあります。
それは・・・自然に実際にあるものです。
落ち葉や木の枝などは、公園にでも行けば大抵手に入ります。
お金もかからないですし、自然なものだからむしろ良いのでは?と思うかもですが、実際は絶対にやめたほうがいいのです。
自然にあるものは、色々な虫がついている恐れがあります。
落ち葉や朽ち木は虫の隠れ家になっているのです。
それはクワガタやカブトムシだけではありません。
それこそダニなどの害虫がついている恐れもあるのです。
止まり木は、購入するか家の中にあるものを使用するようにしましょう。
クワガタ飼育に止まり木は必須!
今回の記事では、クワガタがひっくり返る危険性やその原因、ひっくり返るのを防ぐ止まり木(転倒防止材)について解説してきました。
自然界ではクワガタは自力で生き抜く力が備わっていますが、人が飼育するとなると飼育ケースが活動領域になります。
飼育ケース内がどれだけクワガタにとって、快適で住みやすい空間になっているか・・・
それを気にするだけでクワガタの寿命は大分変わってきます。
クワガタ飼育において止まり木は必須で、入れなければクワガタがひっくり返ってしまわないように運に任せるしかありません。
急な事なら割り箸1本いれておくだけでも、全然違ってきます。
飼育をするのであれば、責任をもって必要最低限、飼育アイテムを揃えるようにしてください!
それでは最後まで読んでくださり感謝です!
他にもカブトムシやクワガタの飼育記事を書いていますので、よろしければそちらも読んでみてください。