カブトムシと並んで、夏の昆虫界の主役とも言うきクワガタ。
外国から見て日本人のクワガタ好きは異常らしいです。
今やペットとして大事に飼育されている方がとても多くなり、長年クワガタをブリードしている身とすれば嬉しいかぎりです!
しかし残念ながらクワガタの寿命はそう長くありません。
そこで今回の記事では、
- クワガタの寿命のギネス記録はある?
- クワガタのオスとメスではどちらが長寿?
- クワガタを長生きさせる飼育方法
- 長生きするクワガタの種類
について解説していきます。
クワガタの寿命のギネス記録はある?
クワガタの寿命についてのギネス記録ですが、結論から言うと寿命に関するギネス記録はありませんでした。
あってもおかしくないな・・と思ったのですが、意外にもなかったです。
何故ないのか?
昆虫は産まれた時を卵の時点にするのか、孵化時点なのか、成虫へ羽化時点なのかでも議論がわかれるのも原因の一つでしょう。
その成虫がいつ産まれたのかが、証明できない場合が多いからというのも原因かもしれませんね。
日本では国産のオオクワガタで、7年生きたという記録があります。
さすがにこの年数は異常な数値で、この先何十年経っても塗り替えるどころか、並ぶことも無理でしょう。
クワガタの寿命については、その個体の元々持っている体力や体の強さも大きく影響します。
7年生きたオオクワガタは、相当な体力の持ち主だったのでしょう。
クワガタのオスとメスではどちらが長寿?
クワガタのオスとメスでは、基本的にはどちらが長寿という違いはありません。
メスのほうが早死すると言われることもありますが、それはメスが産卵をした場合になります。
一般的にクワガタに限らず昆虫全般的にそうですが、メスは卵を生むとそれだけ体力を使うので、寿命が短くなります。
昆虫そのものが元々体力がない生き物ですので、交尾や産卵をするとその分寿命が縮まってしまいます。
オスも交尾をすると寿命が縮まりますが、メスの産卵はそれ以上に体力を使うのでしょう。
昆虫に限らず、犬や猫、そして人間でもそうですが、女性のお産はかなりの体力を消耗します。
なので昔から「女性はつよい!」と言われているのです。
クワガタもオスがしつこく交尾をしようとせまると、その気のないメスならば怒ってオスに噛みつくこともあります。
メスもやっぱり強いということですね。
クワガタを長生きさせる飼育方法
さすがに「7年生きてもらう為には?」
と聞かれても答えようがありませんが、一般的になるべく長生きしてもらう為の飼育方法を紹介します。
- 高タンパクなエサ
- 単独での飼育
- 交尾はNG
- マットは適切な湿度で
- マットの定期的な交換
- 適切な飼育温度
以上の6点について解説します。
高タンパクなエサ
クワガタにとってタンパク質は、体を形成する上で超重要な栄養素です。
体力回復の為にも、なくてはならない栄養素になります。
クワガタは元々体力がありませんので、ひっくり返ったり交尾をしたり、ケンカをしたりするだけで相当な体力を消費します。
ですので、その都度回復が超重要になってきます。
クワガタのエサといえば、昆虫ゼリーが主流です。
最近は100均でも大量の昆虫ゼリーが売られています。
しかし栄養面で言えば心もとない部分があるのが事実です。
多少お金はかかりますが、長生きさせたいのであれば、高タンパクをうたっている昆虫ゼリーをおすすめします。
おすすめの高タンパク昆虫ゼリーは以下の2つ⬇
単独での飼育
クワガタは種類に問わず、多頭飼育はなるべく避けたほうが良いでしょう。
クワガタの中には、好戦的な種類もいれば温和な性格の種類もいます。
ただし全種類に共通して言えることは、エサ場やメスをめぐってケンカをするということです。
自分が生きる為、自分の子孫を残すためにみんな必死になります。
そしてケンカをすれば、それだけで体力を大きく消耗します。
これは勝ち負けは関係ありません。
勝ったとしても、それだけ体力を使ったということになります。
クワガタは元々体力がないので、こういった少しの出来事が寿命を縮めてしまうのです。
交尾はNG
前の章でも話しましたが、クワガタは交尾をすれば寿命が縮みます。
交尾をして産卵をしたメスなら、なおさら縮んでしまうでしょう。
しかしながら、種の保存の為には交尾はとても大事です。
僕もそうですが、ブリーダーにとってはどうしようもない問題になります。
子孫を残して、クワガタを幼虫飼育から楽しむか、なるべく長生きしてもらう為に交尾をさせないか・・・
どちらかを選ばなければなりません。
マットは適度な湿度で
クワガタ飼育において「マットの乾燥」は大きな問題です。
クワガタのみならず昆虫は、湿気がないとほとんどが生きてはいけません。
それほどに水分は大事な飼育要素ですので、霧吹きは常備しておく必要があります。
ただしクワガタ自身のおしっこで、湿気対策をすることも可能です。
どういうことかと言うと、クワガタやカブトムシは成虫になると糞をせずに、おしっこのみします。
おしっこは当然水分です。
おしっこがマットに染み込み湿気となってくれるのです。
昆虫ゼリーの食べこぼしも同様の理由から、実は湿気対策に有効になります。
しかしこれは、湿気対策がされている飼育ケースならの話しです。
湿気対策がされている飼育ケースでなければ、常にマットの乾燥には気をつけなければいけません。
湿気対策がされていない飼育ケースとは、ホームセンターや100均で売られている、フタに大きく空気穴が開いているケースです。
そういった空気穴の大きい飼育ケースを使用するのであらば、新聞紙やラップ等で湿気対策をすることをおすすめします。
湿気対策がされているおすすめの飼育ケース⬇
マットの定期的な交換
マットの定期的な交換はとても大事なメンテナンスです。
マットを放置するということは、クワガタのおしっこもそのまま放置するということになります。
おしっこだけではなく、昆虫ゼリーの食べこぼしもマットに付いたままです。
おしっこや昆虫ゼリーの食べこぼしは、湿気対策になりますので良くないわけではないのですが、放置しすぎはNGです。
というのもその匂いにつられて、コバエがやってきます。
コバエは一度飼育ケースに入ってしまうと、その後は無限増殖のループに突入します。
マットを清潔にしておくことで、害虫の発生を抑えられる場合もありますので、マットは定期的に交換するようにしましょう。
コバエやダニの大量発生は、クワガタにとってもよくありませんので、気をつけましょう。
適切な飼育温度
クワガタ飼育において、一番大切なのが飼育温度になります。
人が極寒や猛暑のなかでは生きられないのと同じで、クワガタにも適正な生活温度があります。
国産のクワガタは当然日本で産まれましたので、日本の気温に耐えられます。
しかし外国産のクワガタはその国の気温で育ちましたので、日本の気温では生きられないこともあるのです。
例えば、アゴが長く色鮮やかな事で知られているメタリフェルホソアカクワガタは、気温が20度〜22度くらいが適温となっています。
日本では夏は30度を超す気温になることもよくありますが、メタリフェルホソアカクワガタはその気温だと弱ってしまうのです。
クワガタの種類によって飼育温度は違いますので、適正温度を調べてから飼育するようにしましょう。
長生きするクワガタの種類
国産のクワガタは長生きな種類が多いです。
ミヤマクワガタやノコギリクワガタは短命なクワガタになりますが、オオクワガタやヒラタクワガタは長寿なクワガタになります。
外国産のクワガタでも長生きする種類はいます。
- オオクワガタ
- ヒラタクワガタ
- コクワガタ
- タランドゥスオオツヤクワガタ
- ニジイロクワガタ
長寿で知られるこの5種類を紹介します。
オオクワガタ
長寿なクワガタの代表格といえば、やはりオオクワガタでしょう。
国産のクワガタで、その寿命は平均して2〜3年になります。
7年生きた個体もいるほど、長寿なクワガタです。
自然界で育ったオオクワガタは、大きくても70センチほどですが、人が菌糸で飼育することによって今では90ミリオーバーも頻繁に産まれています。
適正温度は25度前後になりますが、体も強く日本の猛暑にもある程度耐えることが可能です。
30度を超えないように、室内飼育をするようにしてください。
ヒラタクワガタ
ヒラタクワガタも日本に古くから存在しているクワガタです。
その寿命はオオクワガタと同じく、2年〜3年となります。
飼育環境次第で4年生きた事例もあるほど、オオクワガタに負けず劣らず寿命が長いクワガタです。
ヒラタクワガタは自然界で育った個体は75ミリほどですが、人が飼育することによって100ミリを超す個体も産まれています。
ヒラタクワガタも日本の夏にある程度耐性がありますが、適正飼育温度は25度前後になります。
ヒラタクワガタにはパラワンオオヒラタクワガタや、スマトラオオヒラタクワガタなども有名です。
いずれも外国産になりますので、温度管理が重要になります。
寿命は平均1年くらいですが、2年生きる個体も多くいます。
ヒラタクワガタは国産も外国産も長寿ですが、いずれも温度管理を正しくしてこそだということを忘れないようにしましょう。
コクワガタ
コクワガタも国産のクワガタで、夏になるとよく見かける種類のクワガタです。
その名の通り、体の小さなクワガタになります。
その体の小ささとは裏腹に、とても体力のあるクワガタです。
寿命はオオクワガタと同じく、2年〜3年になります。
持って産まれた体力や飼育環境次第では、3年以上生きることも充分ありえる種類です。
大きさは自然界では50ミリあれば大きい方ですが、人が飼育することによって60ミリ超えも産まれてきています。
日本の夏でも生きることができますが、適正飼育温度は25度くらいで、30度を超えるとさすがに弱ってくるので注意してください。
タランドゥスオオツヤクワガタ
タランドゥスオオツヤクワガタは日本のクワガタではありません。
生息地はアフリカ・コンゴになります。
以前は購入するのに、1ペアで20万円したこともある種類ですが、今現在は1万円ほどで購入可能です。
寿命は1年〜1年半ほどになります。
適正飼育温度は25度です。
冬を超すことができますが、冬眠するわけではありません。
寒さには弱く日本の冬の気温だと生きる事はできないので、飼育適正温度で飼育してあげましょう。
ニジイロクワガタ
ニジイロクワガタも外国産のクワガタになります。
ニジイロクワガタは、オーストラリアやニューギニア島に生息しているクワガタです。
体の色がその名の通り、虹色のようにきれいでブリーダーの間でも人気のクワガタになります。
寿命は1年〜1年半年になり、個体によっては2〜3年生きたという情報もあります。
適正飼育温度はやはり25度くらいです。
ニジイロクワガタも冬を越せますが、冬眠するわけではありません。
タランドゥスオオツヤクワガタ同様に、適正飼育温度化でなら活動を続けることができます。
適正飼育温度は25度くらいですが、極端に寒かったり暑かったりでなければ、幅広い飼育温度での飼育が可能です。
意外と強いクワガタで、飼育がしやすいのも人気の理由の一つになります。
頑張って長生きさせよう!
今回の記事では、クワガタの寿命でギネス記録はあるのか?オスとメスではどちらが長寿?、そして長生きさせるコツについて解説してきました。
昆虫自体が長生きをできる生き物ではないので、2〜3年生きるだけでも長寿と言われます。
しかし、犬や猫などのペットに比べれば短命と言わざるを得ません。
しかも元々体力がなかったり、飼育環境次第では思ったほど生きられなかった個体も数多くいます。
平均的に生きている年数が、寿命として記録されているだけなのです。
人が飼育することで、寿命を伸ばすことは可能になります。
しかしその逆もあり、雑に飼育してしまいむしろ寿命を縮めてしまうことのないようにしましょう!
それでは最後まで読んでくださり感謝です!
他にもたくさんのクワガタやカブトムシの飼育記事を書いていますので、よろしければそちらも読んでみてください。