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- 「冬に見つけたカマキリの卵は生きている?」
- 「カマキリの卵はいつ孵化するの?」
- 「飼育ケースに入れておいたら春に孵化する?」
秋に産み付けられたカマキリの卵(卵鞘)は、そのまま冬を越して春に孵化します。
カマキリの卵鞘は−10℃の低温にも耐える構造を持っており、冬の間はスポンジ状の断熱材に包まれた状態で越冬し、気温が安定して15℃以上になる4〜5月頃に一斉に孵化します。
この記事ではカマキリの卵鞘の越冬の仕組み・孵化の時期・飼育して孵化させる方法・孵化後の幼虫管理まで詳しく解説します。
カマキリの卵(卵鞘)の基本知識
卵鞘の構造と役割
カマキリの卵は「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる特殊な構造物の中に産み付けられます。
メスが産卵するとき、卵と同時にお腹から泡状の分泌物を出してこれが空気に触れて固まることで卵鞘が形成されます。
固まった卵鞘の外側は硬い茶色の殻に覆われ、内部はスポンジ状の軽い素材に卵が整列して埋め込まれた構造になっています。
このスポンジ状の内部構造が断熱材として機能して、外気温の変化から卵を守ります。
−10℃以下の低温・乾燥・雨風にも耐えられるこの構造こそがカマキリの卵が冬を越せる最大の理由で、冬の厳しい環境でも卵の生存率を高く保てます。
この卵鞘の構造はカマキリが長い進化の過程で獲得した優れた生存戦略であり、成虫が越冬できない代わりに卵という形で確実に次世代を残すための仕組みです。
1つの卵鞘に何個の卵が入っている?
1つの卵鞘に入っている卵の数は種類によって異なります。
日本で最もよく見られるオオカマキリでは100〜300個程度、コカマキリやハラビロカマキリでは50〜200個程度の卵が入っています。
産卵直後の卵鞘は白く柔らかい状態ですが、数時間〜1日程度で固まって茶色い硬い表面に変わります。
孵化した幼虫は一斉に卵鞘から出てきて、最初は細い糸でぶら下がった状態になります。
兄弟同士で捕食し合う共食いが孵化直後から始まるため、100〜300匹が孵化しても最終的に成体になれるのは数匹〜数十匹程度です。
この大量産卵・大量死亡という生存戦略は、生き残った個体が確実に次世代を残すためのカマキリの繁殖方法です。
カマキリの卵の越冬の仕組み
冬の間の卵鞘の状態
秋(9〜11月)に産み付けられた卵鞘は冬の間そのままの状態で枝や草の茎・壁などに付着しています。
外見上は変化がなく、触っても軽くスポンジ状の感触のままです。
卵鞘の中の卵は休眠状態で発育を停止して、春の気温上昇を待っています。
冬に卵鞘を観察すると内部に変化は見られませんが、実は春に向けた準備が卵の中でゆっくりと進んでいます。
冬の間は卵鞘を無理に移動させたり衝撃を与えたりせず、産み付けられた場所で自然に越冬させることが最も高い孵化率を得られる管理方法です。
野外での越冬場所の特徴
野外でのカマキリの卵鞘の越冬場所は種類によって異なります。
オオカマキリ・チョウセンカマキリは草の茎・低木の枝・フェンス・外壁などに産み付けます。
ハラビロカマキリは樹上性のため比較的高い位置の木の枝に産み付けることが多く、地面から2〜5m程度の場所でよく見つかります。
コカマキリは地面に近い草や石の表面に産み付けることが多いです。
オオカマキリは雪の積もる高さを予測して雪面より上の位置に産卵するという俗説が広く知られていますが、実際には雪に埋もれた卵鞘でも問題なく越冬・孵化できるため、積雪予測説は科学的には確認されていません。
ただしこの俗説が広まった背景には、カマキリが産卵場所として安定した場所を選ぶ習性があることも関係しています。
孵化する時期はいつ?
カマキリの卵鞘が孵化するのは春(4〜6月)です。
気温が安定して15℃以上になると孵化が始まり、日中が20℃を超えるようになる5月頃に孵化のピークを迎えます。
地域によって差があり、関西・九州では4月下旬から、東北・北海道では5月下旬〜6月頃が孵化の目安です。
孵化のトリガーは気温の積み重ね(積算温度)で、一定の暖かさが続くと一斉に孵化します。暖冬の年は孵化が早まり、寒い春が続く年は孵化が遅れることがあります。
孵化は朝〜昼にかけて起きることが多く、同じ卵鞘から数十分以内に数百匹が一斉に出てくる光景は非常に印象的です。
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カマキリの卵鞘を飼育して孵化させる方法
卵鞘を見つけたときの対処
冬に野外で卵鞘を見つけた場合、そのまま自然に任せるのが最善ですが、観察・飼育目的で持ち帰ることもできます。
持ち帰る場合は枝ごと切り取るか、卵鞘だけをそっと外して容器に入れてください。
卵鞘だけを外す場合はゆっくり丁寧に剥がして、衝撃や圧力をかけないようにすることが重要です。
卵鞘を室内の暖かい場所に置くと春前に孵化してしまうことがあります。春まで待つ場合は玄関・廊下など屋外に近い涼しい場所(5〜15℃程度)で保管して、自然の気温変化に合わせて孵化させることをおすすめします。
卵鞘の設置方法
飼育ケースへの設置方法も孵化成功の重要なポイントです。
卵鞘は必ず縦向きに設置してください。横向き・逆さまにすると孵化した幼虫が正常に出てこられないことがあります。
枝ごと拾った場合は枝を飼育ケース内に立てて固定するか、輪ゴムやテープでケースの壁面に縦向きに固定します。
孵化した幼虫は卵鞘の下に細い糸でぶら下がりながら出てきます。卵鞘の下に最低10cm以上の空間が確保できるように設置することが正常な孵化を助ける重要なポイントです。
湿度管理は月1〜2回程度、卵鞘の表面に霧吹きで軽く水分を与える程度で十分です。水のかけすぎはカビの原因になるため注意してください。
孵化が近いサインと孵化当日の対応
春になって気温が上がると孵化が近づいてきます。
孵化が近づくと卵鞘の表面に小さな穴が並び始め、穴から細い糸のようなものが出てきたら孵化当日のサインです。
孵化は一斉に起きることが多く、最初の1匹が出てきてから数十分以内に100匹以上が連続して孵化します。孵化の兆候を見つけたらケースの蓋がしっかり閉まっているか必ず確認してください。隙間から幼虫が脱走すると部屋中に広がります。
孵化後の幼虫の育て方
孵化直後に必要なエサ
孵化した幼虫は体長5mm程度と非常に小さく、1〜2日以内にエサが必要です。
孵化直後に最適なエサはショウジョウバエ(キイロショウジョウバエ)で、幼虫のサイズに合った小さな生き餌です。
ペットショップや昆虫専門店で購入できるほか、バナナなどの果物を置いておくと自然に集まることもあります。
アブラムシも初令幼虫のエサになります。庭の植物についているアブラムシを集めて与えることもできます。
エサなしで2〜3日経過すると幼虫が急速に弱って死亡率が上がります。孵化が近づいたら前もってショウジョウバエを用意しておくことが孵化後の生存率を高める最重要準備です。
共食いを防ぐためにケースを分ける
孵化した幼虫を全部同じケースに入れておくと共食いが多発して急速に数が減ります。
孵化後できるだけ早く数匹ずつ別ケースに分けて飼育することで生存率を大幅に上げられます。
1ケースあたり1〜3匹程度を目安に分けることで共食いをほぼ防げます。小さな容器(タッパー・プリンカップ)を複数用意しておくとスムーズに分けられます。
水分補給はケース内に霧吹きで水滴を作り幼虫が水滴を舐めて飲める状態にします。直接水を与えると溺れることがあるため必ず霧吹きで水滴を作る方法で与えてください。
成長に合わせてエサを大きくする
カマキリの幼虫は孵化後6〜7回の脱皮を経て成虫になります。
各令数によって食べられるエサのサイズが変わるため、成長に合わせてエサを大きくしていきます。
1令(孵化直後)はショウジョウバエ・アブラムシ、2〜3令は小型コオロギ・ミルワーム、4令以降は中型コオロギ・バッタ・ミルワームが適しています。
脱皮後の数時間は外骨格が柔らかいデリケートな状態のため脱皮直後のエサ投入は避けてください。外骨格が固まってから(数時間後)エサを入れることが脱皮不全を防ぐポイントです。
カマキリ幼虫の飼育は1〜2ヶ月で成虫になるため、毎日の観察と適切なエサの管理を続けることで夏には立派な成虫を見ることができます。
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