「冬になるとカマキリを見かけなくなった。どこへ行ったんだろう?」と思ったことはありませんか?
実はカマキリは、他の昆虫のように冬眠や越冬をしません。成虫のカマキリは秋に産卵を終えると命を閉じ、冬を越すのは「卵」だけという驚きの生態を持っています。
この記事では、カマキリの冬の過ごし方と、卵が冬を越す不思議な仕組みを詳しく解説します。
カマキリの冬の過ごし方とは?成虫が冬に姿を消す理由を知ろう
カマキリの成虫は越冬しない
カマキリの成虫は、秋が深まると産卵を終え、そのまま短い一生を終えます。
夏から秋にかけて成虫になったカマキリは、産卵という使命を果たすと11月頃には自然界から姿を消します。
成虫の寿命は孵化から数えて約6〜8ヶ月。冬の訪れとともに一生を終えるのが、カマキリの自然な姿なのです。
冬を越すのは「卵」だけ
カマキリが種として命をつなぐのは、成虫ではなく「卵」によってです。
秋に産み付けられた卵は「卵鞘(らんしょう)」という泡状のケースに包まれて保護され、厳しい冬の寒さを乗り越えて翌春に孵化します。
このように卵の状態で冬越しすることを「卵越冬」と呼びます。
冬にカマキリの成虫を見つけたら?
まれに11月以降もカマキリの成虫を見かけることがありますが、それは死期が近い個体か、暖冬や温かい地域の個体であることがほとんどです。
冬に見つけた弱ったカマキリを持ち帰って飼育しようとしても、成虫の寿命が来ているため、越冬させることは基本的にできません。
カマキリの冬の過ごし方:卵鞘の仕組みと場所
卵鞘(らんしょう)とは何か
カマキリの卵は「卵鞘(らんしょう)」と呼ばれる特殊な構造に守られています。
卵鞘は親カマキリが産卵時に分泌する泡状の物質が固まったもので、内部には数十〜数百個の卵が整然と並んでいます。
この卵鞘の構造が、冬の寒さ・乾燥・外敵から卵を守る断熱材の役割を果たしています。
卵鞘が見つかる場所
冬に卵鞘を見つけたいときは、以下の場所を探してみましょう。
- 枯れ草の茎:最も多く見られる場所。セイタカアワダチソウなどの茎によく産み付ける
- 低い木の枝:地面から30cm〜1mほどの高さが多い
- フェンスや柵:人工構造物に産み付けることもある
- 石垣の隙間:温かく安定した場所に産むことも
卵鞘は地上から30cm〜1m程度の高さに産み付けられることが多く、これは積雪でも卵が埋まらないような絶妙な高さだと言われています。
種類によって卵鞘の形が違う
- オオカマキリ:大きめで縦長の丸みある形。茶色がかっている
- コカマキリ:やや小さく平たい形
- ハラビロカマキリ:横幅が広く平らな卵鞘
- チョウセンカマキリ:オオカマキリに似るがやや細長い
カマキリの冬の過ごし方:飼育下での卵の管理方法
卵鞘を見つけたら持ち帰っていいの?
自然界でカマキリの卵鞘を見つけた場合、観察目的で持ち帰ること自体は問題ありません。
ただし、持ち帰った卵鞘を暖かい室内に置いてしまうと、冬のうちに孵化してしまう危険があります。
孵化した幼虫には大量の小さな生き餌が必要なため、冬に孵化してしまうと飼育が非常に困難になります。
卵鞘の正しい保管方法
- 温度:屋外や玄関など、自然の気温に近い場所で管理する(暖房の室内はNG)
- 湿度:乾燥しすぎないよう、時々霧吹きで軽く湿らせる
- 容器:通気性のある虫かごや瓶に入れ、フタをきちんとする(孵化後の逃走防止)
- 孵化時期:春(4月〜5月頃)に孵化する
卵鞘はなるべく採取した枝や茎ごと保管するのがベストです。無理に取り外すと卵を傷つけることがあります。
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孵化した幼虫の飼育準備
孵化した幼虫(一齢幼虫)は非常に小さく、コバエやアブラムシなどの小さな生き餌が必要です。
一度に数十〜数百匹が孵化するため、飼育するのはその中から数匹を選ぶのが現実的です。
孵化直後の幼虫は共食いをするため、孵化確認後はすぐに分けるか逃がしてあげましょう。
カマキリの冬の過ごし方にまつわるよくある疑問
Q. 冬にカマキリを見つけた。飼えますか?
A. 11月以降に見つかる成虫は寿命が近い個体が多く、長く飼育するのは難しいです。
暖かい場所においてエサ(コオロギなど)を与えながら、最後まで大切に育ててあげるのが良いでしょう。
産卵した後のメスである可能性もあるので、腹部が小さくなっていれば産卵済みのサインです。
Q. カマキリの卵鞘を雪山で見つけました。大丈夫?
A. 卵鞘はマイナスの気温や積雪にも耐えられる構造になっています。
雪に埋まっていても基本的には問題なく、春になれば自然に孵化します。無理に掘り出したり、室内に移したりする必要はありません。
Q. カマキリの卵鞘が茶色くなっています。死んでいますか?
A. 卵鞘は最初から茶色〜灰色がかった色をしているため、色だけで死活判定はできません。
ただし、カビが生えていたり、極度に乾燥して縮んでいる場合は、卵が死滅している可能性があります。
春まで適切な環境で保管し、4〜5月頃になっても孵化しなければ卵が死んでいたと判断します。
まとめ:カマキリの冬の過ごし方
- カマキリの成虫は越冬せず、秋に産卵を終えて一生を終える
- 冬を越すのは「卵鞘(らんしょう)」に包まれた卵のみ
- 卵鞘は断熱性・保湿性に優れ、冬の寒さにも耐えられる構造
- 卵鞘は枯れ草の茎や木の枝、地面から30cm〜1mの高さに産み付けられる
- 採取した卵鞘は暖かい室内で保管しない。自然の気温に近い場所が正解
- 孵化は翌春の4〜5月頃。孵化直後の共食いに注意
カマキリは成虫で冬を越せない昆虫ですが、卵の形でたくましく命をつないでいます。
冬の枯れ野原で卵鞘を探してみると、来年の春に孵化するカマキリの命を感じることができます。
春まで大切に見守り、元気に育てていきましょう。

